先日2013年10月3日に講師の鬼頭智恵美氏をお招きし、メディカルアロマテラピー1日完結講座を
開催しました。
ハーブから採れる香り(精油)の効果を化学成分の観点から学び、活用の新たな可能性のヒントを
たくさんいただきました!
~ 植物にとっての精油とは? ~
エッセンシャルオイルとは植物の様々な部位の天然分泌物を水蒸気蒸留法などによって抽出したもので、アロマセラピーに使う
香りとして今では広く愛用されています。
アロマセラピーは人間を中心とした発想に基づく行為ですが、セミナーではちょっと見方を変えて植物側の立場から精油を蓄えている理由を考えてみたことで、今までと少し違う発見がありました。
植物は一言でいえば生体防御のために
2次代謝物である精油を分泌しているそうです。自分のためのお薬を体内で製造しているような
ものなのですね。
~ 精油の化学成分の違いは作用の違い! ~
ハーブの中で一番有名な「ラベンダー」の精油についてとても興味深いことを教えていただきました。
栽培場所の標高が違うと、採れるラベンダー精油の化学成分が異なり、その精油に期待できる
人体への働きかけも大きく変わってくるそうです。
標高が高くなればなるほど、エステル類という化学成分の含有率が高くなり
精神面への影響が大きくなる。そして標高が低くなるほどケトン類という
化学成分が多くなり、肉体、特に鎮痛作用が大きくなるとのことでした。
安眠やリラックス作用が有名なラベンダーですが、ラベンダー属(グループ)にまで
目を向けると、それ以外の用途も広がりますね!
【 いろいろなラベンダーとその特徴 】
野生ラベンダー・・・ 標高1000m以上で収穫され、よりリラックス効果が期待される精油
真正ラベンダー・・・ 標高900m以上で収穫され、クマリン類が少量含まれ血液をさらさらにしてくれます。
ラバンジン ・・・・ 標高700~800m以上で収穫されます。真正とスパイクの交配種です。
スパイクラベンダー・・・ 標高700~800以上で収穫され、少々ラベンダーと香りが異なります。
ラベンダーステカス・・・ 一番低い場所で収穫され、免疫等向上します。
~ 化学成分と代表亭な精油の特徴 ~
エッセンシャルオイルに含まれる化学成分を大きく分類すると
モノテルペノール類、オキサイド類、アルデヒド類、エステル類、
ケトン類に分かれます。
モノテルペノール類・・・オールマイティに使用でき、リンパの循環等をよくします。
オキサイド類・・・主に痛みの緩和に効果的な成分です。
アルデヒド類・・・抗炎症作用が効果的
エステル類・・・鎮静効果が期待されます。
ケトン類・・・免疫機能を高める作用が期待されます。
この特性成分を大きく分類したものがヒトに働きかける大きな重要ポイントとなります。
【コリと痛み緩和に適したエッセンシャルオイル】
ローズマリー・シネオール
ローズマリーは種類がたくさんありますが、その中でもオキサイド類が多く含まれているため、痛みの緩和に適しています。
真正ラベンダー
エステル類の成分が多く含まれていることで高いリラックス効果が期待できます。真正ラベンダーには特性成分クマリンが含まれているそうです。
クマリンは、成分を保管し血液をさらさらにする効果が期待できるそうです。
ラヴィンサラ
オキサイド類を多く含み、ローズマリー・シネオールと同じ特性成分が50%含まれています。
ラヴィンサラは心身の疲れにとても効果的だそうです。ティーツリーより刺激が少ないため、ティーツリーで肌が荒れてしまった場合、代わりにラヴィンサラがおすすめだそうです。
ユーカリ・シトリオドラ
アルデヒド類を多く含み抗炎症作用が効果的です。帯状疱疹やヘルペスにも緩和効果がでるそうです。
トリートメントにおいてよく使用されるエッセンシャルオイルです。ラベンダーやペパーミントとブレンドするのもおすすめです。
ウインターグリーン
エステル類をなんと98%含んでいる鎮静効果のためのエッセンシャルオイルです。
スーッとする香りでよく湿布に使用されていたり、痛みをとる抗炎症作用(強い)でスポーツ現場において効果的です。
← 講座の様子です。
自分がもう知っていると思っていた精油でも、化学成分がどれだけ含まれているかによって、香りにや作用に違いがでてくることが新しい発見でした。
メディカルアロマテラピーでは精油の使用方法もユニークでした。今後セルフケアなどにも活かしてみたいと思います。
ウィンターグリーンやラヴィンサラは香りを嗅ぐのが初めてでしたが、その有効性がわかったのでぜひ今後のトリートメントに使ってみようと思いました。
受講してくださったサロンの先生方、ご多用の中ありがとうございました。
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メディカルアロマテラピーの習得にご興味のある方はぜひコチラをご覧下さい。
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2013/10/08 更新